うつ・自律神経失調症を良くするには③:休養のとり方-①

自律神経に合わせた休養のとり方とは?

前回までは、うつ・自律神経失調症を良くするためには、

  • 4つのストレスを減らす
  • ストレスを支える体力を回復する
  • ことを説明してきました。次は休養のとり方についてです。

    休養というと、休みの日に何もしないで自宅で過ごす、遊びに出かける、運動やスポーツをする、ずっと寝てるなど、
    色々な休養の過ごし方がありますし、それ自体はとても良いと思います。

    しかし、うつ・自律神経失調症においては自律神経の働きが平常時とは異なっているために適当な休養のとり方では、なかなか体力が回復しない状態となっています。

    体力を回復させるために重要なことは、”ストレスと自律神経の状態に合わせた休養”を適切に行うことです。現在の自律神経の状態を見極めてどのような休養をとるかが重要といえます。

    では、ストレスと自律神経の状態に合わせた休養とはどういったことを指すのでしょうか?

    ストレスと自律神経の関係

    ストレスと自律神経の関係を説明します。ここでは分かりやすくするためにストレスと自律神経の関係を4段階に分けておりますが、実際には連続して繋がっているものでもあります。

    ①体力が十分にあり、ストレスが低い=副交感神経が働く

    体力が十分にありストレスが軽い場合には副交感神経が働いてストレスに対応します。

    ストレスに対して副交感神経が働いている時の特徴は、仕事などが忙しくて肩がこったり疲労しても食事・入浴・睡眠で回復してすぐに症状がなくなります。メンタルも安定していて問題が起きても適切な対応ができています。

    副交感神経が働いているときの休養のとり方は、日常的に副交感が働くことで十分にストレス対応出来ているために、日中はしっかり仕事や遊び、運動、コミュニケーションなどの活動をし、夜は休んで副交感を働かせて回復することになります。

    良く活動しよく休むことが副交感神経が働いているときに休養のとり方になります。

    具体的に副交感神経が働くとは?

    副交感神経が働くと具体的には、笑う・許す・話す・コミュニケーションをとる、あいさつ、仲良くするなどをしてストレスを下げます。

    例を挙げると、ある人が電車に乗っていて、降りる人の流れにのってホームに降りようとしたら誰かに割り込まれて突然、肩をドン!とぶつけられ、しかも相手は「すいません」もなくさっさと行ってしまったとします。

    その人は何も悪くなくぶつかられた、というストレスが発生したわけです。

    このストレスに対して副交感神経が働くと、自分は悪くなくいけどなんかね~ぶつかってきた人はイライラしてたのかね~でも私はケガしなくて良かった~などを思い、スルーしたり忘れたりします。または誰かに今日電車でぶつかられてさ~ケガしなかったけどやだね~などと話してそれで気が済んでしまいます。

    副交感神経がストレスに対して働いた場合は、許したり話したり相手にしないなどの行動をしてストレスをないものにするのです。

    ②体力がありストレスが高い=交感神経が働く、交感神経が優位

    体力がある程度あり、ストレスが高い場合は交感神経が働いてストレスに対応します。

    ストレスに対して交感神経が働いているときの特徴は、活動的になる、興奮やハイになる、体を動かしたくなり動くことができる。腰痛・肩こりがあるが運動や遊ぶこと、楽しいことをすると症状が良くなる、ストレッチや筋トレで症状が良くなる、運動するとよく眠れるなどです。

    交感神経が働いているときの休養のとり方は、すでにある程度のストレス状態になっていて交感神経が働き過ぎているために、日中に運動をするなどの活動をして交感神経を働かせます。

    運動をして交感神経を上げるとエネルギーを消耗したことで交感神経が下がります。交感神経が下がると副交感が働いてくるため休養をとりやすくなります。

    つまり、ストレスに対して交感神経が働いていて体力もある時の休養のとり方は、日中に活動をして交感神経を働かせて、それから休養をとるということになります。

    一般的なストレス解消法は交感神経が働けるとき

    体力があって交感神経が働ける状態は一般的なストレスの解消方法が有効なときでもあります。現在ではネットや動画などで色々なストレス解消法が紹介されていますが、これらが有効なのは交感神経が働いていて体力があるときになります。

    副交感神経のところで電車で突然ぶつかられた例でいうと、交感神経が優位のときでは、自分が悪くないのにぶつかられた場合は、「なんだよ!」「イラッ!」などの怒りの感情が出て相手に文句を言いたくなったり、反撃したり、逃げたくなります。実際に行動に移すかは別として、「戦うor逃げる」反応が出るのが交感神経がストレスに対して働いているときです。

    ストレスに交感神経が働くことで対応しますが、体力があればストレス後に安全確認ができれば自然に副交感神経が働いて元に戻りますし、交感神経が静まっていれば問題はありません。

    続く