ストレスを支えるのは体力
うつ・自律神経失調症を良くするために必要なことの第1は”4つのストレスを減らすこと”でした。
第2に大切なことは「体力」です。
体力が多くある方は元々うつ・自律神経失調症になりづらく、なったとしても適切な治療・休養で良くなっていきます。逆に体力が少ない方はうつ・自律神経失調症になりやすくて治りづらい傾向があります。
なぜ体力があるとうつ・自律神経失調症が良くなりやすいのか?それは体力がストレスを支えているからです。
体力とは?
体力は、
①運動力
②調節力
③免疫力
④回復力
の4つがあります。この4つの体力の大元のエネルギーがATP(アデノシン3リン酸)です。
ATPは体の細胞内にあるミトコンドリアが”酸素”糖”脂肪酸を使ってエネルギーを作っていて特に重要なのは酸素です。
地球上の生物のほとんどが酸素を使ったエネルギー生産で生きています。私たち人間が呼吸ができなくなると数分で絶命してしまうのも酸素が体に入らなければエネルギーが作れないためです。
例えば、筋肉の細胞ではATPを使って筋肉を動かして体を運動させたり筋繊維を強くして筋力を上げています。胃酸を作る細胞ではATPを使って胃酸を作って分泌しています。
このように、体力=エネルギー=ATPと繋がっていて、ストレスが起きるとストレスに適応するために血圧・心拍数を上げる、体温の上昇、筋肉の緊張などのストレス反応が起きてその時にはエネルギーを燃焼させています。
エネルギーがあればストレス刺激に対して適切な対応や回復ができるためにストレスに負けないのですね。
体力・エネルギーが足りないと・・・
エネルギーがあってストレスに適切な反応ができているときは、免疫や代謝が上がったり筋力がアップします。頭の働きも良くなります。ストレスに適切な対応が出来ているとストレスを受け流せたり、減らす行動をとれます。運動や人との会話、コミュニケーションをとったり遊んだりなど気分転換をしてストレスを減らすことができます。
しかしエネルギーがないとストレスに負けてしまいフリーズ状態となりエネルギーが省エネ状態になるためにストレスを減らす行動がとれずにストレスが減らせない状態が続き、更にエネルギーを消耗し続ける悪循環となってしまいます。このような状態では適切な行動や思考がとれるわけもなく、心身のつらい状況がずっと続くことになるのです。
この状態から脱するためにも体力を回復させることが重要なのです。
体力を回復するには?
施術としては、うつ・自律神経失調症の方では体が歪んで全身の筋肉が緊張していて、特に首・肩・背中・あご・頭などがガチガチになっています。筋肉が緊張しているだけでもエネルギーは消耗するので歪みを整えて筋肉の緊張をとります。
また、呼吸も浅く、早くなっていて十分な呼吸ができなくなっているので呼吸調整法により呼吸がしやすい状態にします。内臓の働きが悪くても呼吸が浅くなるため、内臓調整法により内臓機能を上げて代謝を良くしてさらにエネルギー生産を促します。
筋肉の緊張がゆるみ、呼吸が十分にできるようになるとエネルギーが作られてくるため自律神経のバランスがとれてきて結果的に症状は良くなっていきます。
生活改善も大切
体力の回復には生活改善も必要です。
まずは第1に安定した睡眠が最優先です。ここでは割愛しますが、安定した良質な睡眠は体力だけではなく全ての健康回復の基本になります。
次にバランスのとれた食事。うつ・自律神経失調症では食事のバランスも大切です。第3に入浴して体を温めて血行を良くすること。第4が運動です。
運動に関しては、ある程度体力のある方や良くなってきた場合には、体力の回復と強化のために外に出て太陽を浴びてのウォーキングを勧めています。お日様を浴びながらのウォーキングには自律神経と関係が深いセロトニンを活発にする効果があるため、外に出てのウォーキングは重要です。セロトニンは夜になると脳内でメラトニンに変化して睡眠を促すため不眠症にも日を浴びてのウォーキングは有効です。
天気が良いときは15~20分。天気が悪いときには30~45分のウォーキングを毎日行うと、体力を回復しながら自律神経が整いやすくなっていきます。
スマートフォンの使用は体力を消耗する
スマートフォンの使用はエネルギーを消耗します。
意識や感覚には上がりませんが、目を使い、手に持つことで握った状態で手・腕の筋力を使い、スマートフォンをみる姿勢は前屈みのため、首・肩こりになりますし、呼吸も浅くなります。SNSやショート動画などを見ることも短時間で情報がどんどん変わるため脳も疲労します。
試しにスマホを持たないでスマホを見る姿勢をとってみましょう。何気にキツイものがあります。このように疲労する姿勢にも関わらず、スマートフォンによる目から脳への刺激はとても強いため、疲労する姿勢をとっていることに気付けないのですね。
短い時間であれば大した影響はないので適切な使用と時間を心掛けてください。当院のデータでは、うつ・自律神経失調症の方はスマホ使用の少ない方が明らかに回復が良くなっていますので特にご注意ください。